悪代官の伏魔殿新館ブログ

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スパイウェア対策ソフト「Ad-Aware」の使用は慎重に!

かつてスパイウェア対策ソフトとして多くのユーザーから高い評価を集めた「Ad-Aware」というソフトがあります。
市販のアンチウイルスソフトでは対応できない色々な問題プログラムを検出処置するためにLavasoft社がリリースしたもので、リリース開始された当時は同種のスパイウェア対策ソフト「Spybot-S&D」とともに初心者から上級者まで多数のユーザーを集めました。

このAd-Awareですが、その後は度重なる仕様変更を繰り返した結果、使用のうえでかなり問題が出てきています。
これを使ううえでの問題点と、できるだけ安全に使うための説明をここに記します。

Ad-Awareはもともと「スパイウェア対策ソフト」で、リリース当時は他社のアンチウイルスソフトとも競合する性質もなく併用可能で、むしろ両者がそれを補完することができました。これが当時のバージョンのAd-Awareが高い評価を得た理由のひとつでもありました。

しかしその後、Ad-Awareはスパイウェア対策機能だけにこだわることを離れて、一般のウイルス対策機能も備える方向になりました。
アンチウイルス機能を搭載した以降のバージョンのAd-Awareでは、他社のアンチウイルスソフトとは一切併用できなくなっています。
どの社のアンチウイルスソフトでも、同種の「常駐型アンチウイルスソフト」の併用は、競合による激しい不具合でWindows自体が正常動作しなくなる危険もはらんでいるためです。

ゆえに現在のAd-Awareは他社のアンチウイルスソフトとは一切併用できず、その名称も「Ad-Aware Free Antivirus+(プラス)」となっています。

しかし、その仕様変更や機能を理解していない一部のネットユーザーが、現在でもセキュリティ上のトラブルをネット上の質問サイトで見かけるたびに、まともな説明もなくただAd-Awareを使えと勧めるだけのレスを安易に発しており、これによる不具合例も出ています。
他社のアンチウイルスソフトを何も入れていないPCでなら、Ad-Awareも最低限のセキュリティ対策として有効ですが、他社のアンチウイルスソフトが入っている状態のPCには絶対に入れないでください。
そしてもし他社アンチウイルスソフトが入っているままのPCにAd-Awareを入れてしまった場合は、重複してしまったアンチウイルスソフトのどちらかはアンインストールする必要があります。
重複状態でAd-Awareをアンインストールするには下記説明の手順で作業してください。

最初にAd-Awareの常駐保護機能である「Ad-Watch」の無効化してください。

事前に他のプログラムを終了させた状態で、PCを通常モード状態でタスクマネージャーを起動して(やり方↓)
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/030cputime/cputime.html
プロセスに下記が見つかれば、それを終了にしてください。
SearchProtection.exe
adawarebp.exe
AdAware.exe
Ad-Watch.exe
AdAwareService.exe
AAWTray.exe
これを停止させればAd-Watchも含めてAd-Awareの機能が無効になります。
他社製品を含めてほとんどのセキュリティソフトは常駐保護機能がありますが、これが動いたままだと正常にアンインストールできないため、アンインストール前に止める(無効化する)必要があります。
上記のプロセスのうち、探しても見つからないものは飛ばして進んでいいです。

保護機能を無効化したらタスクマネージャー画面を終了後、次にアンインストールの手順です。

スタートメニューから「Ad-Aware」の項目を選択すると、「uninstall(アンインストール)」の項目が出てくるので、そこからアンインストールできます。
もしくはコントロールパネルを開いて、インストールされたプログラム一覧(Win7Vistaなら「プログラムと機能」)を開いて、そこに表示されたAd-Awareをアンインストールしてください。

なお、現在のAA+では他社製アンチウイルスソフトとも併用可能な仕様が搭載されましたが、これも今後また改変や仕様変更される可能性はありうるので、やはり他社製アンチウイルスソフトとの併用は避けてください。

また、標準だとAd-Aware本体と同時にインストールされるはずの「Ad-Aware Security Add-on」か、「Web Companion」というアプリも見つかればそれもアンインストールしておいてください。
2017年現在ではこのWeb Companionが見つかることが多いようですが、このWeb Companionを入れてしまうとブラウザの検索エンジンもLavasoftの検索に強制設定されて変更も効かなくなっていましたが、現在のバージョンでは設定を固定されることはないように修正されたようです。
ですがこれも不要なら最初のインストール時によく、見てそれのインストールは避けましょう。
コントロールパネルの「プログラムと機能」欄を見て、上記アプリが見つかればそれをアンインストールです。
先にAd-Aware本体を正しくアンインストールできていれば前述の付属アプリもアンインストールされているはずですが、念のため確認しましょう。

これで再起動後はAd-Awareはアンインストールされているはずなので、あとは信頼できるアンチウイルスソフトを正しく運用してください。

総括ですが、1990年代以前にはスパイウェア対策ソフトとして高い評価と多くのユーザーを集めたAAも今ではかつての功績は見る影もないほどの方向へ向かってしまいました。
またスポンサー獲得のためか、いろいろな外部企業との提携したり、AA本体インストール時に付属アプリまで同梱させようと勧めてきたりもしています。
スパイウェア対策ソフト時代のAAで救われ、その後PCセキュリティに関して深い関心や知識を持つことになったユーザーは多いはずです。
自分もAAに救われた一人でしたが、それゆえ現在のAAを見ると虚しさを痛感せざるを得ません。

現在のAd-Awareでも最低限のウイルス対策は可能ですが、現在これの検出保護能力やセキュリティ性能は他社アンチウイルスソフトと比較すると、残念ながら及ばないというのが自分の個人的評価です。
どうしてもAd-Awareを使いたい方は設定と機能をしっかり理解して、自己責任で使ってください。

このノートは2015年5月時点でのデータをもとに記述しています。その後仕様変更や機能追加削除等で使用にあたっての条件が変わってきた場合は、他の方からの有効なアドバイスもお願いします